ジカン泥棒からとりかえしたジカンのつかいかた - MIXTAPE GENERATION

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October 7, 2008 01:07 AM

ジカン泥棒からとりかえしたジカンのつかいかた

離職中、せっかくだから在職中に圧倒的に欠けていたインプットを充実させることに。
インプットと言えば、旅もそうだし、ロックフェスもそうだし、飲み会もそうだし、サッカー観戦もそうだけど、
仕事をしていると圧倒的に後回しにしてしまうのが、映画鑑賞や読書の時間。仕事をしているときは、読む本はどうしても技術書ばかりになってしまう。

30歳無職に毎日毎日降り掛かる焦燥感を振り払い、今はインプットする時間と決めました。これが今できること。いずれ絶対ためになる。枯渇したクリエイティビティの泉を潤すんだ。

っつーことで、夏から秋にかけて観た映画(映画チャンネルやDVD)や読んだ本をチラッと紹介。

■映画

僕、映画センスがあまりないのか、新旧洋邦ジャンル問わず、だいたい何でも観れます。強いて言えば恋愛映画が苦手。
ということで、ただテレビをつけたら放送していたから観たもの、DVDを買ってまで観たもの、サラッと書き連ねます。

『INSIDE OUTSIDE』

グラフィティ・ストリートアートの映画。これはおもしろかった。昔、KAZE MAGAGINEというグラフィティの雑誌を買っていたけど、それ以来あまりグラフィティシーンに注目することもなくなっていた。
でも実は、シーンの大きな変化を知らぬ間に、というか自然に受け入れていたのかも知れない。グラフィティの定義はわからないけど、僕の好きなOBEY、KAWS、BANKSYなんかは、その文脈でも語られる人たちだった。

この作品がおもしろかったのは、イリーガルでやることの意味についての思索がそれなりに繰り広げられていたこと。特典映像に収録されているトークショーでもそれは同じ。
僕がしばらくグラフィティに目を向けれなかった理由として、がっつりシステムの中で生きている僕には、イリーガルでやることの意味や是非を判断できなかったからだ。悶々としていたからだ。
シーンを紹介するメディアはいつもそこを無視するようにアート性だけを語っていたように思う。もちろん僕が知らないだけなのか、そんなことに思索すること自体がナンセンスだからかわからないけど。
結局映画の中でもその答えは出ないんだけど、アートを引き合いに出すことで、なんとなくリーガル/イリーガルの意義については輪郭が見えた気がした。

参考:PingMag(http://pingmag.jp/J/2008/07/28/inside-outside/)

『PEDAL』

友達から借りて観た、ニューヨークのバイクメッセンジャーを追ったドキュメンタリー映画。

近年ピストバイクが流行ってて、東京にいた頃なんてその多さにびっくりした。もちろんファッションで乗ってる人も多いんだろうけど、大阪で見るよりも明らかにバイクメッセンジャーの数も多かったし、実際東京という街にフィットした乗り物であるとはすごく感じた。

しかし、ニューヨークのバイクメッセンジャーたちにとってのバイクまたはバイクメッセンジャーという仕事は、日本や東京で見られるそれらとは異質のものだった。
ニューヨークではバイクメッセンジャーとはライフスタイルであり、コミュニティであり、アティテュードであり、バイクとはそれらを最大限に表現できるもののようだ。
そしてバイクやバイクメッセンジャーという仕事がそう成らざる得なかった、アメリカやニューヨークの影の部分も垣間みれた気がする。

そんな講釈は別にしても、単純にスピード感溢れる映像にヤラれるね。

『CITY OF GOD』

60~70年代のブラジルのスラムが舞台のある意味青春映画。金とドラッグと暴力と音楽にまみれる少年たちの話。かなりバイオレンスです。
サッカーブラジル代表の選手でもこんな街で育った人もいるらしいし、この映画が暴力やドラッグをただ助長するのではないものにし得たのは、「生きてやるんだ」という強さがあるからだと思う。きっと日本人じゃこんなに強く生きれないよねー。

とにかくこの映画、センスが良い。近年のブラジル発カルチャーは侮れません。

参考:オフシャルサイト

『トンマッコルへようこそ』

これ好きやなぁ。うん、好き。こんな戦争映画は観たことない。「戦争ファンタジー」とも言うべきか。
朝鮮戦争中、互いに憎み合う韓国・アメリカの連合軍と人民軍の兵士がある村に迷い込んで、村人たちとの交流を通して互いに心を通わせていく。
その過程の描き方がおもしろい。兵士たちが心を通わせる中で、その周りにいる村人たちは全くの"素"のまま。そこが良い。全然説教臭くない。
ストーリーや演出もさることながら、映像もまたおもしろい。POPで美しい。

「ファンタジー」には何の実用性もないのかも知れない。だけど、誰かが道に迷ったときに目印になるような光は、できる限りキラキラさせるべきだと思う。キラキラをリアリティより優先してもいいと思うんだ。
怒られるかも知れないけど、聖書なんてその最たるもんだと思う。「あそこには辿り着けないのが現実かも知れないけど、あそこを目指したいね」ってもの。
だからファンタジーも悪くない。

『鉄コン筋クリート』

これ、いい。原作よりも好きかも知んない。なんか空を飛べそうな気するな。

この映像をどうやって作ったのかすごく気になります。

『下妻物語』

予想を遥かに超えて面白かった。キャスト(特に深田恭子)も映像もすごく良かった。ロリータもヤンキーもカッコいい。

『BABEL』

一応話題作でしたよね?ストーリーがあるようなないような、タイトル"バベル"からしてもメッセージがあるようで、なんだったのかはよくわからず。まぁ特に感想はなく。

『ULTRAMAN』

ウルトラマンの映画版。やっぱり最近のウルトラマンはVFXが凄くて、僕が小さい頃に熱狂したものとはまた違う面白さがある。僕、今でもたまにウルトラマンになる夢を見ます。

『真夜中の弥次さん喜多さん』

最初、なかなか世界観に入り込めなかったけど、"リアル"を探す旅なんだということがわかってきたあたりから、「なるほど」と思えてかなりおもしろかった。
偶然これを観た日のトップランナーのゲストが原作者のしりあがり寿で、彼の話を聞いてなおさら「なるほど」感倍増。今さらながら、しりあがり寿、深い。

『スパイダーマン3』

まぁ定番だし、僕ヒーローもん大好きだし。今回、一瞬主人公ピーターがグレるとこがおもしろかった。アメリカのヒーローもんっぽい。
あと、親友のピーターに逆恨み丸出しだったハリーが助けにきたところ。ベタベタ。これまたアメリカのヒーローもんっぽい。

ニューヨーク市民の大ピンチに颯爽と現れたスパイダーマン。その後ろに大きく棚引く星条旗。この構図だけは失笑。アメリカ万歳!

『あるスキャンダルの覚え書き』

初めて、ケイト・ブランシェットをきれいだと思いました。なぜだかわからないけど。この人、キレイな。

『どろろ』

久しく民放で映画を観ました。柴崎コウが時折かなりリアルに手塚先生の書いた絵のような表情をするのがおもしろかった。

『舞妓Haaaan!!!』

まぁ普通におもしろかったです、やっぱり。

『恋の門』

おもしろかったけど、しつこくて長かったのが僕には辛かった。

■本

僕、本を読むのが本当に遅い。読者が大好きなのに苦手。だから頭が悪いんだろうな。
部屋の隅で、僕に読んでもらうのを待っている順番待ちの本が山積みです。読むのが遅いから、その間にも山はどんどん大きくなります。
さぁどんどん読んでいきますよ。

『MOMO』

東京を去るとき、アート番長である姐さん(副社長の奥さん)にプレゼントして頂いた本。 東京で「モモ、読んだことある?私、今読みたいんだ」と言われ、僕の「知らないです」との答えに、その場にいたもう一人から「Kozzyがモモを読んでないとは不覚やぞ」と言われ、気になっていた本。
作者はミヒャエル・エンデ。おぉ、『果てしない物語』を書いた人だったんだ。小学生の頃に買ったけど、読み切れなかったなぁ。
しかし、そんな人が書いた本、なぜ今読みたいんだろう?
「時間泥棒に奪われた時間を、人間に取り返してくれた小さな女の子のおはなし」を。

読んでみて、なんかわかった気がするなぁ。これは子どもとか大人とか関係ないな。むしろ大人の方が、この本を読んで気づくことがたくさんあるね。
時代も関係ない。30年以上前に書かれたこの物語は、きっと今の時代やこれからの時代にこそ大きな警鐘を鳴らすんだ。
マジで資本主義や時間について考えるきっかけになりました。

マイスター・ホラの言葉。
"心が時間を感じとらないようなときには、その時間はないも同じだ"。
ハッとしたね。

『ON THE ROAD』

今さらケルアック。今だから『ON THE ROAD』。これを読んでるとき、DEATH CAB FOR CUTIEを聴きたくなって、ずっとBGMとして流していた。
後から知ったことだけど、DEATH CAB FOR CUTIEの歌詞は、ケルアックの影響を大きく受けているらしい。
なるほど、これは食べ合わせがいいわけだ。

『星の王子さま』

サン=テグジュペリの例のあれです。いまさら読みました。こどもでも読めるのに、哲学がいっぱい隠れてる。まさにキラキラしてるね。

"大切なものは、目に見えない"。

『ナガオカケンメイのやりかた』

D&DEPARTMENTのナガオカケンメイさんの本です。ケンメイさんはトップランナーや情熱大陸にも出たことがありますし、D&DEPARTMENTは南堀江にもあるのでご存知の方もいらっしゃるかも知れませんね。

モノを作らないデザイン。
それは、盲目的に「問題解決するためのモノづくり」がデザインだと思っていた僕にはかなりショッキングな考え方でした。
だけど、
「ずっと使えるものを」
「リサイクルできるものを」
そうやってロングライフデザインのことを考えると、あながち自分が全くそれとは逆の、不本意な消費生活を送ってきたわけでもないんだと気づく(もちろん良くない消費もたくさんしてます)。

次の道を探している最中、この本を読んで本当に良かったです。

『ハチドリのひとしずく─いま、私にできること』

ご存知の方も多いかと思いますが「100万人のキャンドルナイト」の呼びかけ人の一人である辻信一さんの監修した、南米のアンデス地方の民話を元にした環境問題の本です。民話やインタビューをベースにした内容で、ボリュームも少なく文字も大きいので、小学生でも読める本です。

結局、メッセージはすごくシンプルなんですよね。

『僕たちは世界を変えることができない。─I WANNA BUILD SCHOOL』

普通の大学生がカンボジアに小学校を建てる話。自主出版ということもあってか本を読ませるためのデザイン(構成、文章、組版など)がほぼされていないし、自己陶酔ととられかねない表現も多い。
まぁ普通ならちゃんと書籍としてのデザインがされるわけだし、編集者という客観性が入ることで誤解を招くような表現は避けられたんだろうな。
しかし逆を言えば、カンボジアで出会った貧困に苦しむ人にお金を渡してしまう話も、AVを観てマスターベーションする話も、自己陶酔しちゃうのも、20歳そこそこの若者の全部がそのまま本になっちゃってるのが魅力っちゃあ魅力なんだな。
実際大手の出版社からいくつか声もかかったみたいだけど、下ネタも多いしいろいろ編集されそうだからって自主出版を選んだみたい。うん、そこで自分で考えたことが偉い。

何より一番評価すべき点は、彼が実際に行動したこと。偽善だとか、自己満足だとか言われようが、行動して目標を達成したことが素敵だ。ボランティアをすることの是非より、僕はそれを尊敬する。

デザインはされていないけど、文字も大きく難しい表現もない小学生でも読める内容で、すぐに全部読めちゃいます。自分へのちょっとした起爆剤にはなるかも。

『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』

この人の著書には、環境問題について戦争や経済と併せて問題提起してるものが多く、この本も環境問題初心者の僕としては視野を広げるには良い資料となりました。65ページしかないのも読書の苦手な僕にはグッドです。

『ビッグイシュー No.99 まるごと「地球温暖化」─つくろうよ地球人の作法』, 『ビッグイシュー No.100 戦争は克服できる 』

記念すべき99、100号は、ビッグイシューらしくど直球のテーマで、「地球温暖化」と「戦争」について。
どちらの特集もガッツリボリュームがあり、読み応えは満点でした(若干重いくらい)。

最近、JR大阪から阪急梅田に渡る歩道橋が改修工事をしているので、以前その下でビッグイシューを売っていたオバちゃんを見かけなくなった。
以前たまたま見かけて買ったとき、「この工事のせいでお客さんが減ってねぇ......」なんて言ってたんで、少し心配。

『わたしにつながるいのちのために』

『六ヶ所村ラプソディー』の上映会で、原発問題の入門書として購入しました。
原発や六ヶ所のことに関する情報には、いろんな思惑やイデオロギーがあって、取捨選択は各々がしないといけない。
まずは反対派もしくは「ちょっと待った」派の意見としてこの本を読みました。伝えたいこと、説明したいことがわかりやすくてよかったです。

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このページは、kozzyが2008年10月 7日 01:07に書いた記事です。

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