生きーる! - MIXTAPE GENERATION

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October 21, 2008 10:37 AM

生きーる!

『貧乏人の逆襲!タダで生きる方法』 著者:松本哉

少し前に、『雨宮処凛の闘争ダイアリー』の感想を書きました。あの本は、プレカリアート(非正規雇用者とかニートなど)の生きる権利を奪還するための本でした。簡単に言うと労働環境の整備を訴えるものだと言えます。あくまで、雇い主がいて、その下で働いてお金をもらうことを前提として生きていこうとしている人の話です。

この本は違います。いかに政府や大企業の思惑の外で勝手に生きていくかを書いたものです。法整備やセーフティネットを訴えるものではない。
「衣食住をいかにお金をかけずにカバーするか」
こうやって書くと、巷に溢れるただのケチケチ節約本みたいで、さもしみったれた内容かと思いがちですが、この本を読んでいると、

  • 実は使わなくていいお金ってたくさんあるんじゃない?
  • あれ、これって誰かの思惑に乗っけられてるんじゃね?
  • ホンマや!これって俺たちの権利でしょ!

ってことに気づく。お金の使い方を考え、行使すべき権利を掲げないとって思い始める。そうなると社会と自分との接点を見いだせ、頭を使った消費生活(節約)が楽しくなってきます。それが社会活動になるんだから。

衣食住の節約術なんてのは序の口で、その後は、地域との関わり方、政治への参加(デモ、立候補!)と繋がっていきます。
僕みたいにこんな歳になっても、政治なんて興味ねーし重いよって人はたくさんいるけど、この本で紹介されている著者の松本哉さんの活動はめちゃめちゃおもしろくて、自然と興味をひき付けられます。
大人数のデモを申請しておきながら、わざとすっぽかして警察を激怒させたり、区議会議員に立候補して選挙カーを使った爆音デモ(一応選挙運動)を繰り広げたり。センスがあるね。要は、基本的な思想としては右とか左とかリベラルではなく「勝手に生きさせろ」ってことだから。

ただ、右の人も左の人もアナーキーな人も、思想自体はさておき表現が非常にラジカルなのが僕的には気になる。大勢の心を射抜くには、言葉の矢先を鋭くしないといけないのかも知れないけど、あまりに無差別だと誰もそこに近づきたがらない。怖がらせるだけだと思う。
この本の場合だと、著者たちから見た資本主義社会に乗せられている人(一般消費者)全てを無条件に標的にしているように見える表現がある。なんかこう、初めて会っていきなりどつかれるみたいな、「なんやねん、おまえ!」的な気持ちになる人もいると思うな。
まぁそれも覚悟の上の表現なのかもねぇ。どんなメッセージを届けたいのか?どれくらいの範囲に届けたいのか?じゃあどう表現するのか?デザインの難しいところです......。

まぁ、何はともあれ、結局は最後まで楽しく読める「勝手に生きていく」ために非常に実用的な本でした。

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このページは、kozzyが2008年10月21日 10:37に書いた記事です。

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